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大阪地方裁判所 昭和59年(行ウ)160号 判決

兵庫県尼崎市長洲本通三丁目七番地

原告

金菊仙

右訴訟代理弁護士

宮崎定邦

前田修

木村治子

高橋敬

吉井正明

田中秀雄

筧宗憲

堀田貢

川西譲

足立昌昭

古殿宣敬

大阪市東区大手前之町一番地大阪合同庁舎三号館

被告

大阪国税局収税官吏

小山和男

右指定代理人

岡本誠二

提孝雄

正木速雄

東好信

上田吉彦

横井啓文

岸本秀一

岡田淑子

田中泰彦

主文

一  本件訴えをいずれも却下する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告

1  被告が、昭和五九年五月二三日、兵庫県川西市久代二の七九の一所在サンエイセンターにおいて、原告を被差押者としてなした、別紙物件目録記載の物件に対する各差押処分をいずれも取消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  被告

(本案前の答弁)

主文と同旨

(本案の答弁)

1 原告の請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

第二当事者の主張

一  請求原因

1  被告は、株式会社富士砕石(以下「富士砕石」という。)に対する法人税法違反(ほ脱犯)嫌疑事件に関し、昭和五九年五月二一日、大阪地方裁判所裁判官川久保政徳が発付した臨検、捜索、差押許可状(以下」差押許可状」という。)にもとづき、同月二三日、兵庫県川西市久代二の七九の一所在のパチンコ店「サンエイセンター」において、原告を被差押者として、別紙物件目録記載の各物件につき差押をした(以下「本件差押処分という。)

2  本件差押処分は、以下のとおり、手続的にも実体的にも違法であり、取消されるべきものである。

(一) 本件差押処分の手続的違法性

(1) 被告は、原告に対し、一度も事情聴取を求めたり、書類の呈示を求めることなく、いきなり強制調査を断行したもので、かかる強制調査は合理的な根拠、必要性を欠き違法である。

(2) 差押許可状の不呈示

国税犯則取締法(以下「国犯法」という。)上の強制調査を行う場合には、差押許可状を被差押者に呈示すべきであるのに、被告は、本件差押処分に際し、昭和五九年五月二三日午前九時三〇分ころ、前記サンエイセンターに多数の職員を派遣し、「国税庁の者です。」というのみで差押許可状を示さず、捜索差押したもので、本件差押処分は違法にものである。

(3) 適法な立会人の不存在

被告は、本件強制調査を立会人をおくことなく強行し、原告の夫や川西譲弁護士の差押許可状の呈示と立会の要求も無視したもので、かかる調査方法は違法である。

(二) 本件差押処分の実体的違法性

本件差押にかかる物件は、犯則嫌疑事実と何ら関連性がない。

(1) 富士砕石と原告との関係等

富士砕石は、昭和四二年四月一八日に設立され、砕石業を営んでいたものであり原告は、昭和五七年一二月に前記パチンコ店「サンエイセンター」を開店し今日まで営業して来たものである。原告は、夫とともに、二〇名ほどの従業員を雇い、経営を続けているが、富士砕石とは、原告の夫崔種楽の父崔性植が富士砕石の代表取締役であるということ以外には何らの関係もなく、取引きもないのである。しかも、富士砕石は、昭和五七年七月ころには殆ど営業活動を停止していたものである。従つて、富士砕石の法人税のほ脱に関し原告の営業関係の帳簿類を調査しなければならない関連性は存しない。

(2) 犯則嫌疑事実との関連性

富士砕石に対する犯則嫌疑の事実は、大阪地方裁判所裁判官川久保政徳が発付した差押許可状によれば、同法人が昭和五七年度の所得金額を過少申告したというものである。本件強制調査は、富士砕石に対するほ脱嫌疑事件についての「反面調査」=「裏付調査」として行われたものとされているから、本件調査が適法であるというためには、嫌疑法人に対する犯則事実と関連性を有するものでなければならない。

しかるに、被告が押収した書類等は、富士砕石の昭和五七年度の営業と何等の関連性もないパチンコ店サンエイセンターの昭和五九年五月ころの営業に関する書類等ばかりであり、富士砕石に対する嫌疑事実と何等の関連性のないものばかりである。このことは、本件強制調査の目的が、富士砕石の嫌疑事実についての「反面調査」「裏付調査」にあつたのではなく、むしろ、サンエイセンター等について別個の嫌疑を捜し出すためになされたものであつたこと、そしてそれを通じ、在日朝鮮人総連合会の中心的活動家である原告の夫崔種楽の政治的、社会的活動の弱体化を狙つたものであることを示している。

(3) 各差押物件の内容と事件との関連性

犯則事実の証ひようとして最低限度の証明力すら持たない物件は、犯則事実との関連性がないとして、差押の対象から排除されることは自明の理である。しかるに、被告は、原告の日々のパチンコ店営業に不可欠の帳簿類を差押しているのである。例えば、別紙物件目録番号一〇番(以下単に番号のみで表記する。)の「景品表」、三九番の「消防用設備等設置届書等」、五五番の「チラシ折込一覧表」などは標題だけからも犯則事実と関連性がないことは明らかである。その他、営業に不可欠で犯則事実に関係のない帳面類を以下列記する。

〈1〉 電算打出し出玉率表

パチンコ台の出玉がどの程度かは、客と店との勝負が営業の盛衰に直接かかわるのであるから、この資料がなければ全く正常な営業を準備できないのである。この資料は、営業収益を計算するものとしてはまってく利用価値のないものである。

〈2〉 フィーバー終了台統計

一台一台のパチンコ台が一日に何回終了し、何個の玉が出たかを集計した資料であり、どの台が良いかを探り当てるのが一つの醍醐味であるパチンコ遊戯にとつて欠かせないものである。

〈3〉 パチスロコイン両替一覧

これも出玉率と同じで、営業そのものにかんするもので、経理と何の関係のない。

〈4〉 たばこ納品書

たばこがパチンコ店で一番人気のある景品であるが、専売品であるためその注文と納品は既定の取引日しかできず、前もつて予想して発注しなければならない。この資料は過去のデーターであり予想の資料である。

〈5〉 遊戯機登録証明書、同認定申請書

これらは、パチンコ店が設置した機械の警察への届出書類であり、営業の許可に直接かかわるものであつて、本件強制調査に関係はない。

〈6〉 番号一〇、一一、二四、二六、二八、三九、四九、五〇、五三、五五、五八、六〇、六一、六五、七八ないし八三、九三ないし九八、一一〇、一一一、一一五、一二八、一三一、一三三、一三四、一三六、一三七、一四〇、一四五ないし一五一、一五六ないし一六二、一六五、一六六、一七一ないし一八二、二〇五、二一三、二二一、ないし二四三は、一見明らかに関連性のないものである。

〈7〉 次の差押物は全く第三者の個人的所有物であり、かつ一見明白に無関係であることが判るものである。

番号三三「再入国許可証」、四六「留学関係書類」、七〇「メモ」、八五ないし八八り写真類、二三三「宝石保証書」

二  被告の主張及び認否

1  本案前の申立に関する主張

本件訴えは、以下に述べる理由により、却下すべきものである。すなわち、被告の本件差押処分は、富士砕石に係る法人税法違反嫌疑事件に関し、右嫌疑事件の証拠収集上、国犯法二条に基づいてなしたものであるところ、被告は、昭和六〇年二月一三日、右嫌疑事件を神戸地方検察庁検察官に告発し、右告発に伴ない、同法一八条一項に基づき、本件差押物件(但し、還付済みのものを除く。以下同じ。)を差押目録とともに同検庁検察官に引継いだものであり、右検察官への引継により、本件差押物件は、同条三項の適用を受け、検察官が、刑事訴訟法の規定により押収した物とされることとなつた。

従つて、右引継があつた以降においては、刑事訴訟法四三〇条一項所定の手続により、本件差押処分の取消しを求めることは格別、これを行政事件訴訟によつて争うことはできなくなつたものというべきである。

2  請求原因に対する認否

(一) 請求原因1の事実は認める。

(二) 同2の(一)について

(1) (一)の(1)の事実のうち、被告が本件強制調査を事前に原告に対して任意調査をなさずに行つたことは認めるが、その余の事実及び主張は争う。

(2) (一)の(2)の事実のうち、被告が昭和五九年五月二三日に「サンエイセンター」を強制調査したことは認めるが、その余の事実及び主張は争う。

(3) (一)の(3)の事実及び主張は争う。

(三) 同2の(二)について

(1) (二)の(1)の事実のうち、富士砕石が昭和四二年四月一八日に設立され、宝塚において砕石業を営んでいること及びパチンコ店「サンエイセンター」が昭和五七年一二月に開店し、今日まで営業してきたこと並びに原告の夫崔種楽の父崔性植が富士砕石の代表取締役であることは認めるが、その余の事実及び主張は争う。

(2) (二)の(2)、(3)の事実及び主張は争う。

3  本案に関する被告の主張

(一) 本件強制調査に手続的違法がないことについて

(1) 原告は、本件強制調査は事前に何らの任意調査もなされず、いきなり行われた違法がある旨主張する。

しかしながら、犯則事件の証ひようの発見及び収集についての調査手続は刑訴法上の被疑事件の捜査ではなく、行政手続の一種であつて刑事手続(司法手続)ではないと解されているところ、国犯法一条は、質問、検査及び領置の各手続を、二条は、臨検、捜索及び差押えの各手続を規定しているだけで、臨検、捜索及び差押えの各強制調査を実施するに当り、質問検査等の各任意調査手続を経由するすることが必要である旨を規定した条項は国犯法上存在しないのである。

しかるところ、被告がサンエイセンターに対して強制調査を行つたのは、富士砕石の犯則事実を明らかにする証ひようの発見及び収集の目的を達成するためには、諸般の事情から最も適切な方法と判断して国犯法二条の規定に基づいて行つたものであり、大阪地方裁判所の裁判官もこれを肯認していたものであつて、そこには何らの違法もないといわなければならない。

(2) 原告は、被告が本件強制調査に際し、許可状を呈示せず、また、立会人を立会わせなかつたとして、これを理由に本件強制調査は違法であると主張する。

しかしながら、右主張はいずれも事実に反し、失当である。サンエイセンターに係る強制調査の状況は以下のとおりである。

〈1〉 昭和五九年五月二三日午前九時、被告は収税官吏福島清ほか九名の査察官とともにサンエイセンターに臨場した。福島清は店舗二階の同店店長太田次生の居室(五号室)前で、午前九時三分、太田次生に国税査察官証票及び収税官吏章(以下「身分証明書」という、)を示した上、差押許可状を呈示して、太田次生に立会を求めたところ、同人が応諾したので、同人の着替えを持ち、午前九時二〇分、同人立会のもとで一階店舗の臨検捜索を開始した(午前九時四五分終了した。)

〈2〉 午前九時三〇分、福島清は二階事務所において、出勤してきた事務員松本巻子に身分証明書を示した上、差押許可状を呈示し、立会を求めたところ、同人が応諾したので、同人の立会のもとに二階事務所の臨検捜索を開始した。

〈3〉 午前一〇時五分ごろ、崔昌植部長が二階事務所に出勤して来て、「責任者もおらんのに、お前ら何しとる。」と怒鳴り、松本巻子に対し臨検捜索に立会をしないように指示したので、臨検捜索を中断せざるを得ない状況となつた。被告及び福島清は二階事務所奥の部屋(通称社長室)の応接セットにおいて、崔昌植に身分証明書とともに差押許可状を呈示して立会うよう説得をしたが、同人は、「私は社長(崔種楽を指す。)から従業員の監督や店内のトラブルの解決は任されているが、事務関係のことや、税務調査の立会等については任されていない。」旨申立て、立会を拒否した。

〈4〉 午前一〇時二五分ごろ、在日朝鮮人兵庫県商工会(以下「商工会」という。)尼崎東商工会会長李学哲と称する男ほか一名が、国犯法九条に基づく査察官の出入禁止の制止を振り切り、事務所に入室し、「社長が来るまで調査を待つよう」要請した。

〈5〉 午前一一時ごろ、崔種楽の居宅(尼崎市長洲本通三丁目七番地)の強制調査に出向いていた収税官吏大槻勝から「崔種楽は午後一時ごろまでに金庫の鍵を持つてそちらに行く。」旨架電してきた。

〈6〉 午前一一時二〇分ごろ、伊丹商工会副理事長千琮鎌が査察官の出入禁止である旨の制止を振り切り、事務室に入室してきた。

〈7〉 午後一時ごろまでには崔種楽サンエイセンターに来店する旨の前記電話連絡に基づいて、被告及び福島清は、李学哲(自称)、千琮鎌及び事務局員との五名で待機した。

〈8〉 午後一時過ぎ、商工会員と思料される者約三〇名が店舗外に終結し、気勢をあげているのが窓越しに確認された。

〈9〉 午後一時ごろ、川西警察署に立会警察官の派遣を要請した。

〈10〉 午後二時四〇分ごろ、川西警察署巡査部長村上卓夫ほか一名が到着したが、臨検捜索はただちに再開せず、警察官を待機させた。

〈11〉 午後二時五〇分ごろ、崔昌植に再度立会の意思の有無を確認すべく、同人を呼んだところ、崔昌植とともに酒気を帯びた男数人を含む男約二〇名及び女四、五名が査察官の制止を振り切り、事務室及び社長室に土足で乱入し、被告らを奥の部屋で取り囲み、押しつけるようにして、国税局及び立会警察官を誹謗する暴言をはき、事務所内は収拾がつかない状況となり、それまでの臨検捜索により収集した証拠物件が散逸する恐れが認められた。そこで、被告は川西警察署に警備要請を行うとともに、崔昌植と話合い、午後四時まで崔種楽を待つことを約束して、商工会員を社長室から排除してほしい旨伝えたが、商工会員は、隣の事務質に居すわり、査察官に罵声をあびせた。

〈12〉 午後三時二〇分ごろ、川西警察署から警備警察官一〇名が到着し、やや平静となつた。

〈13〉 午後三時二五分ごろ、崔種楽から午後四時までには立会に行く旨の電話があつたので、それまで臨検捜索の再開を見合せることにして、立会及び警備の警察官に退出するよう要請した。。

〈14〉 午後三時四〇分ごろ、川西警察署大橋警備課長を除き、警察官が戸外に退出すると同時に、一部の商工会員も廊下又は戸外に退出し、平静に服した。午後四時になつても崔種楽は現れなかつたが、道路事情等も考慮してしばらく待機した。

〈15〉 午後四時一〇分ごろ、尼崎商工の権と称する男が社長室に入室し、「社長の車と一緒に尼崎をでた。社長の車は遅れているが、間もなく来ると思う。社長が来たら商工会代表五人を同席させてほしい。」旨申し出た。被告は、権に対し、「同席の件は社長が来てから結論を出す。午後四時三〇分までに崔種楽が来なければ、臨検捜索を再開する。」旨を告げた。

〈16〉 午後四時三〇分ごろ、崔種楽が商工会の幹部級と思料される男五、六人に囲まれて社長室へ入室してきたので、被告は商工会関係者の退出を要求し、事務室まで退出させた上、応接セットで福島清が身分証明書とともに差押許可状を再呈示したところ、崔種楽は差押許可状を手に取り一枚目、二枚目及び三枚目のすべてについてボールペンを逆にして一字ごとに記載文言をたどり、約三分間にわたつて熟読した。さらに、崔種楽はノートに許可状を書き写そうとしたので、福島清と崔種楽とで許可状の取り合いとなつた。この間、崔昌植は福島清の両腕につかみかかり、差押許可状を奪取しようとした。このような状況のもとで、さらに興奮した崔昌植は収税官吏松田勝を肘でこづくなどの暴力をふるつた。また、事務室廊下には商工会員と思料される者が多数押しかけ、大声で怒鳴るなど、現場一帯は騒然となつた。そこで、被告は、崔種楽に対し、臨検捜索を再開するので立会うよう、また、商工会員は戸外に退出するよう再三にわたり要請したが、応諾する気配は全く認められなかつた。

〈17〉 午後四時四七分、被告は崔種楽に対し、「あなたが立会わなければ、警察官立会のもとで、臨検捜索を再開する。」旨を最終的に告げたが、応諾しなかつたので、村上巡査部長に対し立会を、また、警備指揮官大橋警備課長に対し、警備援助の要請を行つた。

〈18〉 午後四時五〇分ごろ、機動隊員が二階廊下、事務室に入室し、商工会員と思料される者を排除したので、立会警察官(巡査部長村上卓夫ほか一名)に差押許可状を再呈示の上、立会を求め、崔種楽及び崔昌植同室のまま、社長室の臨検捜索を再開した。

〈19〉 午後五時一〇分ごろ、社長室備付金庫の開扉が不能であつたので、収税官吏堀川秀夫からの出張要請に応じて戸外で待機していた鍵屋(キーロツク寺内)に社長室に入室するよう指示し、開扉可能の有無を検討させた。

〈20〉 午後五時二〇分ごろ、崔種楽が弁護士川西譲と入室し、川西弁護士が被告に対し差押許可状の呈示を要求したが、被告は崔種楽に対して既に差押許可状を呈示済である旨を伝え、同人の申出を拒絶した。被告は、崔種楽に金庫の開扉を再度要求したが、同人は「お前らが勝手に開けたらよい。」と申立てたので、前記鍵屋にダイヤル操作による開扉作業をやるよう指示し、崔種楽及び川西弁護士を退出させた。鍵屋はダイヤル操作で開扉しようとしていたが、開扉できないため、小金庫をドリル使用の上、開扉するよう指示した。

午後六時一五分小金庫を開扉し、午後六時二〇分大金庫をダイヤル操作で開扉し、午後六時二三分大金庫をダイヤル操作で開扉した。そこで、各金庫内の収納物を検討の上、差押物件と現在高確認物件とに区分の上、差押処分にかかつた。

〈21〉 午後六時四五分、崔種楽から面会の申入れがあり、廊下にて川西弁護士及び崔種楽と会つたところ、両名から「何故コピーするのか明らかにせよ。」との申入があつたので、「預金通帳等は差押えせず、現在高確認処分にとどめるので、謄写の上、確認書とする。旨の説明をしたが、理解が得られなかつたと判断されたので、謄写を中止させ、手書きによる現在高確認書を作成させるほか、一部の物件は差押えることに決定した。

〈22〉 午後七時二〇分ごろ、鍵屋がドリルで破壊した小金庫の修復が完了したので、立会警察官に差押え物件を確認させた。午後七時三五分、差押手続を終了し、立会警察官に署名押印させ、差押目録謄本一部を立会警察官に交付するとともに、留置きする同目録謄本一部を応接セツトテーブル上に残置した。

〈23〉 午後七時四〇分査察官全員、機動隊に守られて退去した。

以上のとおり、被告は、本件強制調査の際、差押許可状の呈示を行つているのであり、また、立会についても、原告側で拒否したため警察官を立会わせたものであつて、本件強制調査の過程において、原告主張のごとき手続的違法はないといわなければならない。

(二) 本件強制調査に実体的違法がないことについて

(1) 原告は、犯則嫌疑者富士砕石の法人税法違反の嫌疑に関し、第三者である原告が本件強制調査を受けるいわれは全くない旨主張する。

しかしながら、原告の夫崔種楽は嫌疑法人富士砕石の取締役であり、かつ、原告自身もその監査役であつて、原告の夫の実父崔性植は富士砕石の代表取締役であるが、同人は明治四二年生まれの高齢であることから富士砕石の経営に実質的に関与できないこと、原告が営業許可名義人となつているパチンコ店サンエイセンターが所在する場所を本店所在地とする株式会社オーリヨン商事の代表取締役が原告の夫崔種楽で、原告が取締役であるところ、同会社においてサンエイセンターの敷地、建物を協和地所株式会社から買い受けているにもかかわらず、この売買代金額三億一一九五万一八四八円が富士砕石の普通預金から支払われていること、崔種楽がサンエイセンターの駐車場用地として利用している場所を松田幸一から賃借しているところ、同賃貸借契約を締結するに際しての保証金及び賃料合計一五八〇万円が富士砕石の仮名預金である金実名義の普通預金から松田幸一の定期預金及び当座預金に入金されていること、崔種楽は昭和五八年一月二二日一一五五万円を銀行から借入れるに際し、銀行員に対して、サンエイセンターは妻名義で開店させたものであると申述していること、富士砕石が金実名義で借入れた金員がサンエイセンターの建物改装に係る費用とて支払われていること等からして、被告は、富士砕石の犯則事実の証拠収集上、崔種楽が実質的経営者であると思料されるサンエイセンターを強制調査する必要があると認めたものであり、大阪地方裁判所の裁判官もこの必要性を肯認して差押許可状を発付したものであるから、原告主張のごとき違法がないことは明白である。

(2) 原告は、本件差押対象物件は富士砕石の犯則嫌疑事実との関連性が全くないにもかかわらず差押えたものであるから、本件差押処分は違法であると主張する。

しかしながら、収税官吏は、富士砕石の犯則事実の証拠収集上、富士砕石と人的、金銭的に密接な関連性があると認められたサンエイセンターの損益及び財産の増減についても調査を行う必要があると判断したものであつて、大阪地方裁判所の裁判官も右関連性及び必要性を肯認して差押許可状を発付したものであるところ、本件差押物件はいずれもサンエイセンターの損益及び財産の増減を把握して犯則事件を調査するうえで必要なものである。

(4) 原告は、個々の差押物件につき、その内容等から、本件犯則嫌疑事実との具体的関連性がない旨主張する。

しかしながら、個人事業及び法人の所得計算は、その年分又は事業年度のすべての取引を対象とするものであり、偽りその他不正の行為は、事業体において日常生起する多数の正常取引と混在し、反覆、継続して行われ、しかも、通常外部に顕出することがないため、不正行為自体が収税官吏の調査により徐々に解明されていくものである。従がつて、犯則事件の調査に当つては正常取引に埋没し、又は巧みに隠蔽された不正行為を明らかにするため、広範囲な証拠収集とその精査とを必要とするものである。それゆえ、差押えに当つての犯則事実との関連性の有無は幅広く認められなければならないのであつて、差押時点において、当該差押物を一見しただけでは意味が必ずしも十分把握できないという理由で差押えができないと解したのでは、国犯法の意図する犯則事件の調査は不可能となるのである。

(三) 差押物件の還付について

本件差押物件中、別紙還付物件目録記載の物件は、還付年月日欄記載の年月日に原告に還付された。

三  被告の主張に対する原告の認否及び反論

1  被告の本案前の申立に対する反論

被告は国犯法一八条三項を、検察官への引継により、同法二条による捜索、差押手続が遡つて刑事訴訟法の規定にしたがつて行われたものとみなされるものと解釈しているようである。

しかし、同方一八条三項は、「検察官ガ刑事訴訟法ノ規定ニ依り押収シタル物トス」と規定するのみであつて遡求的に刑事法の規定により押収されたものとみなすとは規定していない。したがつて、右条項の法意は、あくまでも当初の捜索、差押手続が国犯法によるものであることを前提として、引継によつて引渡された物件の正当な占有権限を検察官に付与するにすぎないものと解すべきであつて手続全体が遡求的に刑事手続による捜索・差押とみなされる趣旨ではないと解すべきである。

本件で原告が争つているのは、昭和五九年五月二三日被告が行つた捜索・差押の違法性である。右捜索・差押は、国犯法に基づいて、被告が行つたものであるが、右手続の法的性質は、刑事手続に類似するところがあるものの行政手続であつて、それに対する不服申立方法も行政訴訟によるべきものであるから、本件訴えは適法なものである。

2  本案に関する被告の主張に対する認否

本案に関する被告の主張(一)、(二)の事実及び主張はすべて争う。

第三証拠

証拠関係は、本件記録中の書証目録記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  請求原因1の事実(本件差押処分の存在)は、当事者間に争いがない。

二  そこで、本件訴えの適否について判断する。

1  本件差押にかかる物件中、別紙還付物件目録記載の各物件が、同目録記載の年月日に原告に還付されたことは、原告において明らかに争わないので、これを自白したものとみなされる。ところで、差押にかかる物件が収税官吏または検察官によつて被差押者に還付された場合、差押物についての強制的な占有の保有という差押処分の効力は確定的に消滅するのであるから、被差押者には還付にかかる物件について差押処分の取消を求める法律上の利益が存しないことは明らかである。

したがつて、本件訴えのうち、前記還付にかかる各物件について差押処分の取消を求める訴えは、いずれも不適法である。

2  弁論の全趣旨により原本の存在と成立の真正が認められる乙第九、第一〇号証によれば、大阪国税局収税官吏井川英俊は、昭和六〇年二月一三日、犯則嫌疑者富士砕石、同崔種楽に関する法人税法違反嫌疑事件(本件差押処分の嫌疑事実と同一性を有するもの)を、国犯法一二条ノ二の規定に基づき、、神戸地方検察庁検察官に告発し、それに伴い、同月一八日、同法一八条一項の定めるところに従つて、本件差押物件(但し、前記還付済みのものを除く。)を同地方検察官に引継いだことが認められる。

ところで、右のように犯則事件の告発に伴い、検察官に引継がれた物件について、国犯法一八条三項は、「当該物件ハ検察官ガ刑事訴訟法ノ規定ニ依リ押収シタル物トス」と規定しているところ、右規定の趣旨は、国犯法に基づく収税官吏の犯則事件に関する調査は、告発という最終目的の達成をもつて終了し、以後、犯則事件は検察官の掌理するところとなり、一般の刑事事件と同じく、必要な操作手続を経て、起訴、不起訴という終局処分が決せられることとなるため、右犯則事件に関する証拠物(差押物件及び領置物件)も、告発とともに検察官がこれを引継ぎ(法律的には占有期間の変更にあたる。)以後、検察官が押収関係の主体となり、刑事訴訟法の規定にしたがつて、保管、廃棄、還付等の処分をすることとしたものと解される。

そして、右国犯法の趣旨からすれば、犯則事件の告発に伴い、収税官吏による差押え物件が検察官に引継がれたのちは、当該差押物件に官する手続は、すべて刑事訴訟法の規律するところによるべきことが明らかであり、不服申立手続についてのみ、これを別異に解すべき理由は見出せないのであるから、本件差押処分に関する不服申立についても、刑事訴訟法四三〇条一項に規定する準抗告の方法によるべきであるというほかない(なお、実質的に考えても、犯則事件の告発と差押え物件の引継後は、差押物件についての証拠能力の有無=その中には差押手続の適法性の判断も含まれる=、事件との関連性、証拠としての必要性、重要性等の判断も検察官に委ねられ、検察官において、右の種々の怠を考慮の結果、差押物件につき留置の必要がないと考えるときは、還付等の処分をすることになるのであるから、この面からしても、差押物件の引継後の差押処分に対する不服申立は、検察官を実質的な相手方とする刑事訴訟法の準抗告の方法によるべきこととするのが妥当である。)。

そして、このように差押処分に対する不服申立が、刑事訴訟法四三〇条一項所定の準抗告によるべき場合に、行政事件訴訟法の規定の適用がないことは、同条三項の明定するところであり、このことは、差押処分に対する抗告訴訟の提起が、差押物件の引継より前であるか否かによつて結論を異にするものではないと解すべきである。

そうすると、本件差押に係る物件(但し、前記還付済みのものを除く。)が、すでに検察官に引継がれていることは前記認定のとおりであるから、本件訴えは、右引継以前に提起されていて訴え提起時には適法なものであつたとはいえ、右引継後の現段階においては、行政事件訴訟法による訴訟事項たりえない事項を審判の対象とすることに帰し、訴訟要件を欠くに至つたもので、いずれも不適法なものというべきである。

三  よつて、本件訴えはいずれも不適法であるからこれを却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主分のとおり判決する。

(裁判長裁判官 山本矩夫 裁判官 及川憲夫 裁判官 村岡寛)

物件目録

(いずれも兵庫県川西市久代二の七九の一、サンエイセンターに所在したもの)

(差押番号) (品名又は名称) (数量又は個数)

一 名刺ホルダー 一綴

二 商品取引と表題のフアイル 一綴

三 御見積書 一綴

四 見積書(袋共) 二綴

五 名刺ホルダー 二綴

六 御見積書 三綴

七 領収書等(フアイル共) 一束

八 名刺 一束

九 不動産売買契約書等 一綴

一〇 景品表 一六綴

一一 景品表控(バインダー共) 一綴

一二 袋入り封書 一袋

一三 近畿相互/三宮からの郵便物(袋入) 一袋

一四 納品書・請求書等 一綴

一五 銀行からの書類 一綴

一六 サンエイセンターと表記のノート 一冊

一七 日記帳オール建設と表記のノート 一冊

一八 無表題ノート 一冊

一九 領収証 一冊

二〇 ノート 一綴

二一 五九年度と表示の綴 一綴

二二 図面 一枚

二三 フジテツク営業報告等(袋共) 一袋

二四 カタログ 一袋

二五 受領書等 一袋

二六 テレホンリスト 一個

二七 久代会館と表記のノート 一綴

二八 電話連絡簿 一冊

二九 無票題の大学ノート 三冊

三〇 雑書(袋共) 一綴

三一 手帳 一冊

三二 鈴蘭台山林裁判資料 一綴

三三 再入国許可証等 一綴

三四 無表題の大学ノート 一冊

三五 罫紙メモ 一枚

三六 不動産売買契約証書等(袋入) 一綴

三七 電話番号表(ケース共) 一個

三八 青色のフイラノート 一綴

三九 消防用設備等設置届出書等 一綴

四〇 黄色のフアイル 一綴

四一 見積書等 一綴

四二 雑綴 一綴

四三 見積書等 一綴

四四 見積書 一綴

四五 見積書等(はさみ込書類とも) 一綴

四六 留学関係書類等(袋共) 一袋

四七 物品出納帳(フアイル共) 一綴

四八 仕入帳(楽)(フアイル共) 一綴

四九 住所録 一綴

五〇 名刺ホルダー 二綴

五一 電算打出し出玉率表 一綴

五二 黒表紙ノート 一冊

五三 玉数等の小票等 一綴

五四 フイバー終了台統計等 一綴

五五 チラシ折込一覧表 二枚

五六 黒表紙フリーダムノート 一冊

五七 集計用紙 一冊

五八 広告関係等フアイル 一綴

五九 電算打出し出玉率表 一綴

六〇 一般終了台統計等 一綴

六一 集計用紙 一冊

六二 堀工務店御見積書(袋入) 一綴

六三 ハンデイノート(同封書類とも) 一冊

六四 銀行取引書類綴 一綴

六五 名刺 一束

六六 ケース入り書類 一ケース

六七 ケース入り書類 一ケース

六八 ポケツトノート 一綴

六九 小ノート 一冊

七〇 メモ帳 一冊

七一 袋入印鑑 二個

七二 メモ帳 一冊

七三 一勧/三宮財形預金預入依頼書 一綴

七四 書簡等 一束

七五 メモ書のある銀行からの空封筒 五袋

七六 破棄メモ 一袋

七七 空封筒 二袋

七八 集計表(黒表紙共) 一綴

七九 集計用紙 二冊

八〇 統計表(黒バインダー共) 一綴

八一 紙ケース入り書類 一ケース

八二 フアイルフォーウィーク(内容物共) 一個

八三 名刺 一束

八四 メモ 三枚

八五 フィルム(袋共) 一袋

八六 袋入り写真 一袋

八七 アルバムブック 一冊

八八 アルバム 八冊

八九 手帳 二冊

九〇 メモ帳 三冊

九一 葉書綴 三冊

九二 空封筒 一束

九三 名刺綴 二冊

九四 卓上日誌 一個

九九 メモ帳 八冊

一〇〇 振込金受入票 一綴

一〇一 訴訟関係写 一綴

一〇二 パチスロコイン両替一覧等(ケース共) 一個

一〇三 宅地資料等(袋入) 一袋

一〇四 出金伝票 一綴

一〇五 メモ書名刺 一枚

一〇六 名刺 二枚

一〇七 来信書簡等 一束

一〇八 請求書等 一綴

一〇九 袋 一綴

一一〇 警備報告書(フアイル共) 一綴

一一一 クリーニング伝票等 二綴

一一二 黒茶表紙ノート 一冊

一一三 納品書等 二綴

一一四 領収書等(袋入) 一綴

一一五 景品表 一綴

一一六 領収証等(袋共) 一袋

一一七 たばこ納品書 一綴

一一八 領収証等 一綴

一一九 売上伝票等 一袋

一二〇 朝銀帯封 一綴

一二一 電話メモ 一綴

一二二 雑書 一袋

一二三 銀行空袋 六袋

一二四 領収書・請求書等 一綴

一二五 出金伝票等 四綴

一二六 雑書 二綴

一二七 電話メモ 一綴

一二八 履歴書 二束

一二九 仕入台帳(五八年度)と表記の袋に入つたノート 一綴

一三〇 入出金伝票 一〇綴

一三一 五八年度パチンコメモ等 一袋

一三二 雑書 一綴

一三三 五八・一~金銭出納帳 一冊

一三四 出勤表等 二束

一三五 領収証等 一綴

一三六 テレフオンリスト 一冊

一三七 差玉計算書綴 一綴

一三八 領収証・請求書等 三九綴

一三九 遊技機登録証明書(フアイル共) 一綴

一四〇 兵遊協と題する綴 一綴

一四一 業務・企画契約書等 一綴

一四二 賃貸借契約書等 一綴

一四三 売買契約書等(ビニールフアイル共) 四綴

一四四 遊技機認定申請書(写)等 一綴

一四五 客数平均・割数グラフ表 一綴

一四六 名刺 一束

一四七 景品追加表 一綴

一四八 葉書 一束

一四九 空封筒 一束

一五〇 機器取扱説明書 二部

一五一 景品表 一枚

一五二 五九年支払書等 一綴

一五三 食品雑貨・タバコ記入帳 一綴

一五四 給料台帳 三綴

一五五 納品書・領収証等 一綴

一五六 五月一九日付パチンコ台総合レシート 一綴

一五七 パチンコ換算表等 一綴

一五八 風俗営業許可申請書等 一綴

一五九 住所一覧表 一綴

一六〇 履歴書綴 一綴

一六一 出勤表控 一綴

一六二 西宮土木事務所許可(フアイル共) 一綴

一六三 連絡帳 一綴

一六四 見積書等 一綴

一六五 承認申請書等 一綴

一六六 娯楽施設利用税領収証書等 一綴

一六七 土地賃貸借契約書等(フアイル共) 二綴

一六八 原価償却費の計算書等 二綴

一六九 満期のご案内等 一束

一七〇 換金控 一綴

一七一 電気料金ノート 一冊

一七二 パチンコ両替数一覧等 二枚

一七三 前貸帳 一冊

一七四 領収証等(袋共) 八袋

一七五 食堂出金伝票 一綴

一七六 来信賀状等 一束

一七七 カタログ等(フアイル共) 一束

一七八 カタログ等(袋共) 一袋

一七九 カタログ(袋共) 一袋

一八〇 御見積書等(フアイル共) 一綴

一八一 カタログ等 一綴

一八二 年賀状名簿 一冊

一八三 仕入帳 一綴

一八四 奥覚書(フアイル共) 一綴

一八五 連絡帳(フアイル共) 一綴

一八六 定款・議事録等フアイル(株)オーリヨン商事 一綴

一八七 議事録フアイル 一綴

一八八 法人登記簿謄本フアイル 一綴

一八九 (株)東明商事申告書控 一綴

一九〇 借用証書フアイル 一綴

一九一 印章(紙袋入) 三個

一九二 公正証書謄本(袋入) 一通

一九三 確認通知書等(久代ホール) 一綴

一九四 不動産売買契約証書等綴 一綴

一九五 登記簿謄本綴 二綴

一九六 公正證書 一通

一九七 印鑑登録証明書等 一束

一九八 登記済権利証等(株)オーリヨン商事 一袋

一九九 当座勘定照合表 一綴

二〇〇 定款議事録フアイル 一綴

二〇一 手帳(ビニール袋入) 一八冊

二〇二 賃貸借契約証書等フアイル 一綴

二〇三 手形受払帳 一冊

二〇四 銀行勘定帳 一冊

二〇五 川西保健所許可証(袋入) 一袋

二〇六 金銭消費賃貸借契約証書 一枚

二〇七 仮領収証(封筒入) 一枚

二〇八 担保品預り証(袋入) 一枚

二〇九 小切手帳半片 六冊

二一〇 約束手形半片 二冊

二一一 借用証(封筒入) 一枚

二一二 ボートビル建築計画書(封筒入) 一袋

二一三 保険料領収証 四枚

二一四 借用証(封筒入) 一枚

二一五 外国文書(封筒入) 二通

二一六 借用証書(封筒入) 一通

二一七 崔英鎬名義朝銀兵信/尼崎 定期預金通帳 一冊

二一八 崔種楽名義 朝銀/尼崎 総合口座通帳 一冊

二一九 朝銀総合口座通帳 崔種楽名義 一冊

二二〇 宋基洛名義 朝銀/三宮 総合口座通帳 一冊

二二一 関西明販(株)からの封書 一通

二二二 品質保証書 一枚

二二三 給料袋 二袋

二二四 タイム・カード 一枚

二二五 請求書・領収証 一綴

二二六 メモ 一綴

二二七 メモ帳 一冊

二二八 喫茶売上伝票 二束

二二九 給料袋入り計算書等 一袋

二三〇 袋入り給料明細書 一袋

二三一 袋入領収証・請求証等 一袋

二三二 メモ書き 一枚

二三三 ビニール袋入り 宝石保証書 三冊

二三四 金銭出納帳 二冊

二三五 替助帳 一冊

二三六 仕入帳 一冊

二三七 紙ケース入り保証書 二ケース

二三八 メモ 一枚

二三九 帯封 五枚

二四〇 空封筒 二袋

二四一 領収証等 一綴

二四二 保険証券(ビニール袋内) 四通

二四三 メモ 一枚

以下余白

還付物件目録

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